フェレットの歴史について
　
フェレットはイメージとは違い完全な肉食動物で、ヨーロッパのイタチを原種として繁殖・変化したものだといわれています。
現在のフェレットはすべて飼育個体であり、野生種はいない数少ない飼育されている肉食動物の一種です。
　

　
今から２０００年以上前から人間と共に生活をしており、古代の記録にも残っています。
ダックスフントの様に居穴動物の狩猟に用いられており、フェレットを穴に放し、肉食動物のフェレットに追いかけられた獲物が穴の外に出てきたところを捕獲する形でもちいられていたようです。
　
近代においては、ネズミ駆除のために倉庫や船の中にて飼われ、立派にその役目を果たしていたそうです。また、細い穴をくぐり抜けることが得意なことを買われて、チューブの中に電線を通すための作業で紐をくわえさせたフェレットをチューブの中を走らせることで工事のパートナーとしても大事な役割を担っていたようです。
　
いずれにしても、肉食動物でありながら空腹時においても人との共生がはかれ、人懐っこく、適切な体のサイズ感であり、人と共に暮らすことが非常に得意な性質が人とフェレットとの長い歴史の役立っていたのは間違いないと思います。
　

　
また、フェレットを飼育するに適した良質なフードが開発されたことも、現代のフェレット飼育者が増えるきっかけとなったのではないでしょうか。どんな飼育動物もフードの発展が非常に重要な要素を構成しており、そのフードの調達の容易さと共に長寿化や飼育の容易化を歴史が物語っております。
　
恐らく、専用フードの開発以前のフェレットはネズミなどの小動物を補食することが人との関係における大きな役割であったため、役割を果たすと同時に食餌にもありつけていたのではないでしょうか。
　
不思議なのは、それ以前の大昔の時代、人も肉どころか食料を得ることが難しく、人自身が食べることで精一杯であった時代において、フェレットの食事はどうだったのだろうか。　
　
犬は、大昔から人との共生において、人の主食である穀物由来の炭水化物を栄養源にすることが出来るようになったことが、その後の長い人との親密な歴史の出発点であったとする説がありますが、フェレットは現代においても完全な肉食動物ですので犬や猫と違い炭水化物など人と同じものを摂取することで生命の維持をすることはできませんので、他の人との共生をはかっている動物たちとは関わり合い方に少し違いがあるのです。
　
そんな不思議な存在であり、現在のペットとしてのフェレットについてはどのような動物なのかこれよりお話をします。
　
フェレットの性格
　

　
好奇心旺盛で、人懐っこく、遊ぶことも大好きな性格がフェレットの基本的な性格です。懐いてくると飼い主の後をずっと追いかけてきたり、飼い主の手からご飯を食べるようになることもあります。
おもちゃを与えれば一緒に遊んでくれる性格のため、ペットと遊んだりしたい人でも十分満足でき、1日の大半を寝て過ごすため、長時間1人にされてもあまり寂しがることなく留守番が可能なので一人暮らしの人が飼うのにも不安のないペットです。
さらに、フェレットはしつけが可能な動物で、幼いころは噛み癖に悩まされる方が多く聞かれますが、噛まれるたびにしっかり怒るような事をすれば、噛んだら叱られるということを覚えてくれます。もちろんトイレを覚えることも可能ですので、生活面では犬や猫と大差がない事がわかるでしょう。
　
フェレットの体重はおおむね、オスは1.5kg前後であり、メスは1kgほどの体重となります。特徴的な軟らかい体は頸椎はもちろん、胸椎や腰椎も非常に柔軟に出来ており、狭いチューブの中などでも容易に180度の旋回が出来ます。哺乳類のペットとして一般的な動物の中で、胸椎をあれほど自由に曲げることの出来る動物を他には私は知りません。
　
この特徴で巣穴にいる動物などを狩猟する役目を担っていたことがわかります。
以前はフェレットの視力はあまり良くないと言われていましたが、最近の調査では比較的良いとされています。彼らの先先祖が巣穴の動物を捕獲してたことや夜行性であったことがその理由となっておりましたが、捕獲する対象の動物の動きをしっかりとらえる事が出来るため悪いという定説は覆されたのです。
　

　
飼育下での環境はフェレットが生活をしたり遊ぶ空間がフェレットにとって安全であるか確認する必要があります。それはフェレット特有なのですが、フェレットは頭の幅の隙間があれば入る込む行動をとります。これは巣穴に入っていく行動原理と似たようなものがあります。みなさんの想像よりも狭い穴に入り込むため、部屋の中にそのような狭い空間や穴が無いかどうか確認が必要です。
　
布団や座布団や枕などの敷物の下にも入り込むため、これらの下にフェレットがいるかも知れないということを留意して生活をする必要があります。
また、フェレットはゴムスポンジ製品やゴムラテックス製品を齧る性質があります。特に１歳未満の若いフェレットはこれらを誤食し、消化管内閉塞を起こす率が高いので、くれぐれもこれらの製品がフェレットの周辺に存在しないようにすることが大切です。　
　
犬猫用のゴム製のおもちゃは与えてはいけません。代わりに布製や固いプラスチックや金属製のおもちゃを与えるようにしてください。
おもちゃと言えば、フェレットは円筒状のものの中をくぐり抜けることが大好きです。
チューブ状のおもちゃを連結して遊ばせると非常に活発に運動するようになります。
　
フェレットの食事
　

　
フェレットは肉食動物です。
　
小動物を丸ごと摂取することで完全な栄養をまかなうことが出来る様な体内の構造をしています。
イタチは、獲物を巣に持ち帰って一度に沢山食べずに少しずつ頻繁に食べます。このことは、フェレットにも当てはまり、フェレットも一日に５〜１０回食事を摂取します。１回の量は少量となります。また、フードを特定の場所に隠して置くこともよく見られ、飼い主が注意していないと部屋の隅にカビの発生した大量のフードを発見することになる場合もあります。
ハムスターの食料保存と似ていますが、自然界では大丈夫ことでも飼育下になると話が厄介にることとなります。
　
フェレットの種類
　
マーシャルフェレット
　

　
アメリカのニューヨーク州にあるファームで繁殖されているフェレットで比較的細めの個体が多く、噛み癖の少ないおとなしい性格な子が多いです。体重は0.8～1.8㎏程が標準ですが、中には2kgを超える子もおり、小柄な子から大柄な子まで幅広いバリエーションが出てきています。特徴として、耳に入れ墨、マイクロチップが入っています。初心者にお勧めの種類だといわれています！
　
マウンテンビューフェレット
　

　
マウンテンビューフェレットも、マーシャルフェレットと同様アメリカ・ニューヨークで繁殖されています。性格体格も似たタイプで、体重も0.8～1.5kg程度、優しくおとなし目です。噛み癖も比較的少ない種類といわれていますが、中には噛み癖がなかなか直らないやんちゃさんもいるようです。そのためフェレット初心者さんより経験者さんにおすすめです。しつけをしっかりと出来る自信があれば大丈夫ですよ。
マーシャルと比較し顔に丸みがあるのが特徴で、カラーリングはマーシャルフェレットと似ています。
　
パスバレーフェレット
　

　
アメリカ・ペンシルバニアにある世界で一番大きなファームで繁殖されている子が、パスバレーフェレットです。体重は0.8～1.5kg程度です。
パスバレーではたくさんのフェレットを繁殖しているからか、カラーバリエーションが豊富であり、生後2ヶ月からお迎えできるので、ベビーの頃から一緒にいたい方にオススメです。
体つきはしっかり目でお顔に丸みがあります。やんちゃな性格の子が多いので、思う存分遊べます。噛み癖の強い子が多い傾向があるので、しっかりとしたしつけが必要です。
　
ホールデンフェレット
　

　
耳にHの刺青が入っているホールデンフェレット。カナダのファーム出身です。体重は1.0～1.8kgで体格がよく、大きく成長する子が多いと言われています。噛む力も強いので、きちんとしたしつけが必要になるでしょう。
性格はやんちゃ。フェレットくんとたくさん遊びたい経験者の飼い主さんにオススメの子です。
　
ドラゴンライズフェレット
　

　
ドラゴンライズフェレットは日本国内で唯一存在するファームで誕生する子です。体重は1.0～2.0kgと体格が良いのが特徴ですが臭腺除去・避妊去勢手術されていないので、お迎えする際は必ず臭腺除去・避妊去勢手術をしなければなりません。
ベビーが誕生したら公式サイトに公募情報が公開されます。専門店で出会うこともできますが、男の子のみなので、女の子をお迎えしたい場合は公募情報を確認しましょう。
　
また、全頭にマイクロチップが埋め込まれており、お迎えしたときに日本獣医師協会にオーナー情報等の情報登録を行ってくれるサービスがあります。
さらに、遺伝的な病気を防ぐために血統管理もしっかりと行われており、お迎えした際には4世代前までの情報が記録されたファミリーツリー（血統書的なもの）をもらえます。
　
アンゴラフェレット
　

　
ファーファームフェレットは中国からやってきたアンゴラフェレットです。毛の長さはショート・セミロング・ロングとバリエーションがありますが流通している個体の多くは長めの毛の子がおおい印象です。
体重は1.0～2.0kg程度ですが毛足が長いためさらに大きく感じますが、性格はやや気性が荒くとてもやんちゃな子が多いようです。
　
ニュージランドフェレット
　

　
ニュージーランド・サウスアイランドのファームで誕生する大型のフェレットがニュージーランドフェレットです。
小さめのフェレットの2倍くらい大きくなるタイプで、むっちりとした体つきに、丸顔がチャームポイントです。
性格はちょっと凶暴気味で、初めてフェレットを飼う方にはあまり向かないタイプです。
　
大型のフェレットということで人気がありましたが、2002年にニュージーランドではフェレットの販売や繁殖が違法になってしまったため、日本にやってくることができなくなってしまいました。
　

フェレットの飼い方
　

　
フェレットは寒さに強く、暑さに弱い生き物です。熱中症にならないよう気を付けながら、飼育する部屋は15～25℃、湿度は45～60％を保ちましょう。
ケージは隙間から脱走しないように網目の細かいものを使用し、中にはトイレ、寝床としてのハンモック、エサ皿、給水機を設置しましょう。1日の中で就眠している時間が最も長いので、寝床は特に快適に整えてあげると良いでしょう。ハンモックは暑さをしのぐために通気性の良いものを選び、小まめな洗濯で清潔な状態を保ちましょう。
エサはフェレット専用フードが存在します。おやつもフェレット専用のものがあります。食べる量は自分で調節できますので、多めにエサ皿の中に入れておいても問題ありません。
1日2回、朝と晩でフードを水を交換するようにしましょう。どれだけねだられたとしても人間の食べ物は与えなことが大切です。
運動は1日1時間以上確保する必要があります。狭く細い隙間を素早く走ったり、ボールとじゃれたりすることが大好きです。
フェレットが遊びやすいように工夫されたおもちゃも販売されていますので、ぜひ試してみましょう。
床に落ちているものを誤飲したり狭い隙間に入っていってしまう事故を防ぐため、ケージの外で遊ばせている間は目を離さないようにしましょう。鳴き声は小さいため、都心部のマンションであっても問題なく飼育できます。きちんと管理されたファームで繁殖された個体であれば、臭さの原因となる臭腺は除去されていますが、個人ブリーダー等から引き取った個体の場合は未手術の可能性もあります。この場合、発情行動や強い臭気が発生します。こちらの方が本来の野生に近い姿ということであえて望む愛好家も存在しますが、やはり一般家庭での飼育は難易度が上がってしまいます。
もしこれらの問題が起こった場合には一度動物病院にて相談し、手術を検討してみましょう。
　
　
　
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